預貯金を相続した際の名義変更などの手続きについて
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
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預貯金の相続手続きは早めに行いましょう
銀行など金融機関の預金口座は、口座の名義人が亡くなると凍結されて入出金ができなくなります。
凍結を解除して、お金を引き出すには、金融機関ごとの手続きを行っていただく必要があります。
預貯金の名義変更は相続人全員の戸籍収集が必要になる為、簡単なようで非常に面倒な作業です。
大阪相続相談所では、預貯金を相続した際の名義変更手続きをサポートしています。
預貯金の名義変更が必要な場合には、まずは無料相談でお気軽にご相談ください。リーズナブルに代行サポートさせて頂きます。
預貯金相続の名義変更の基礎知識
被相続人(相続される人、相続の開始にあたっては亡くなった人)が死亡し、相続が開始して遺産分割協議が成立するまでの間、亡くなった方の預貯金は、遺産として相続人全員の共有の財産となります。ですから、一部の相続人が亡くなった方の口座から勝手にお金を引き出し、使わないように、金融機関は預貯金口座の名義人が亡くなったことを知ると、その口座を凍結して取引を停止させます。(停止される取引は、引き出しや入金もできなくなります。)
そこで、各金融機関所定の払戻し請求書などに相続人全員の署名・捺印を求められます。
預貯金相続について公正証書遺言がある場合(自筆遺言の場合は事前に検認が必要です。)には、そのまま金融機関に持って行きます。逆に遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、作成した遺産分割協議書を金融機関に持っていき、名義変更の手続きを行う必要があります。
ちなみに、取り急ぎのお金が必要だからと言って、故人の口座から勝手に預貯金を引き出すことは、基本的にはスムーズな相続の妨げになるのでしてはいけません。
預貯金相続の名義変更手続きの流れ
1) 銀行に相続発生の届出、口座の凍結
銀行に相続があったことを告げ、相続手続き届出用紙を受取る(口座はこの時点で凍結されて引き出しができなくなります。)
2) 戸籍などの必要書類の収集
故人の出生から死亡までの全ての戸籍などの必要書類を集めます
3) 相続人の確定
全ての戸籍を調査して相続人を確定する
4) 相続財産の確定
貯金通帳や残高証明などを調査して相続財産を確定する
5) 相続人全員による遺産の分け方の話し合い(遺産分割協議)
相続人全員が合意したら遺産分割協議書を作成して、全員の署名、実印での押印をする
6) 金融機関所定の相続手続依頼書を記入
各銀行所定の用紙に必要事項を記入し相続人の戸籍や印鑑証明などとともに提出する。銀行によって必要書類やその有効期限、各手続きが異なりますので事前に確認する
7) 払い戻し
現金または振込みなどの方法で、相続人へ払い戻しがされる
預貯金相続の名義変更に必要な書類
それでは、預貯金の解約、名義変更をするためには、どんな書類や手続きが必要なのかを見ていきましょう。
必要書類
- ① 各金融機関所定の払い戻し請求書など(相続人全員の署名・捺印が必要になります)
- ② 亡くなったかたが生まれてから亡くなるまでの戸籍(除籍・改製原戸籍謄本など)
- ③ 相続人全員の戸籍謄本
- ④ 相続人全員の印鑑証明
- ⑤ 遺言書や遺産分割協議書など口座を取得する人を証明する書類
- ⑥ 預貯金通帳・キャッシュカード・届出印など
- ⑦ 主な金融機関の名義変更に必要な書類のPDFデータ(3行)
※すでに遺産分割協議が成立している場合は遺産分割協議書
※遺言がある場合は、遺言が必要です。(自筆遺言の場合は検認が必要です。)
※各金融機関により、上記以外の書類が求められる場合がございますのでご注意ください。
ここで、重要なのは、
- ① 各金融機関所定の払い戻し請求書など(相続人全員の署名・捺印が必要になります)
- ② 亡くなったかたが生まれてから亡くなるまでの戸籍(除籍・改製原戸籍謄本など)
必要な戸籍が一通のみである場合は、ほとんどないということです。
出生時は親の戸籍に入りますが、婚姻時には新たに戸籍が作成されますので、それだけでも必要な戸籍は2通となります。
また、戸籍は平成6年に紙形式での保存から電子データでの保存が認められたため、各自治体において、順次戸籍データの電子化が進められました。
よって、平成6年以前に産まれている方であれば、ほぼ確実に、電子データの「現在戸籍」と改正前の紙で作られた「改製原戸籍(古い戸籍)」が存在しています。
更に、昭和32~40年の間にも戸籍様式の変更が行われていますので、被相続人の方がご高齢であればあるほど、存在する戸籍は増えていきます。
出生時から死亡時までの一連の戸籍を取得するということは、上記のように必要な戸籍をすべて取得しなくてはいけないということですので、どの戸籍が必要かを把握するだけでも知識がないと大変です。
被相続人が、婚姻により、居住地を変えていた場合や、引越しをした際には、市区町村をまたいで本籍地が移動している場合も少なくありません。
その場合には、出生まで遡ってそれぞれの役所に戸籍取得の申請を行う必要がございます。
また、休日は役所が空いていないなど、必要書類を集めるために仕事を休まなければなりませんし、戸籍の取得漏れが何度も起き、その都度、やり直しをしないといけません。
最初は“自分でやります”とおっしゃるお客様でも、手間が掛かり過ぎるということで、当事務所にご依頼頂く方がほとんどです。
自分で名義変更手続きを行うときの、よくある事例
預貯金の名義変更を自分でおこなうことは可能ですが、銀行員さんもこの手続きについて詳しく知っていないため、下のようなことが頻繁に起こります。
「名義変更に必要な書類はありますか?」
「少々お待ちください。・・・・」(待たされる)
「この紙に書かれている、○○と・・・・・・と□□を持ってきてください。」
「わかりました。」
1週間後
名義変更に必要な書類をもってきたのですが、○○と・・・・・・と□□で大丈夫ですか?
「確認しますので、少々お待ちください。・・・」(待たされる。)
「・・・申し訳ありませんが、△△には、相続人の××さんの署名も必要になるんです。あと、■■の書類の提出画必要でして・・・」
「先日うかがったときは、その書類のことはお聞きしていなかったのですが・・・✕✕さんの署名と■■ですね。他には、なにかありますか?」
「えー・・・これで大丈夫ですよ。」
さらに1週間後
「名義変更をしてもらいたいのですが、書類を確認してもらえますか?」
「少々おまちください。・・・」(待たされる)
「・・・☆☆の書類は、お客様ではなく、●●さんの印鑑が必要です。それとですね、▽▽の欄は、・・・」
「こないだこれで大丈夫だって言ってたじゃないですか・・・分かりました。その他は本当にもう大丈夫なんですか?」
「はい、大変申し訳ありません。その他は結構ですので、恐れ入りますが、再度ご提出ください。」
さらに、さらに1週間後
「名義変更の手続きに来ました。おそらくこれでいいと思うのですが、確認してもらえますか?」
「かしこまりました。お待ちください・・・」(待たされる)
「・・・申し上げにくいのですが、実はお客様の場合は通常の場合と違いますので、××の書類のほかに★★の書類のご提出もお願いしておりまして・・・」
「もう三回目の確認に来ているのに、どうして初めからそうと言ってくれないんですか!」
「大変申し訳ございません。」
預貯金の名義変更をご自分でされる場合、上記のやり取りのように悩まされる事態になる可能性があります。
日ごろから行う手続きではなく、必要書類も多くため、ご自分での手続きが難しいと思われたら専門家にご相談いただくことをおすすめいたします。
大阪相続相談所では無料相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。
- 【保有資格】司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
- 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」 著者/「はじめての相続」 監修
- 全国司法書士法人連絡協議会 理事