相続人が認知症の場合と故人が認知症の場合の対応を司法書士が解説
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
相続が発生した際に、相続人の中に認知症の方がいたり、亡くなられた故人が認知症だったりすることがあります。
その場合、通常の相続と同じように進めていいのか悩まれるかと思います。
相続人の中に認知症の方がいる場合や、故人が認知症だった場合の遺産分割協議の進め方など、相続について司法書士がわかりやすく解説していきます。
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相続人の中に認知症の方がいる場合の対策
認知症の方が相続人になった場合は、事前に対策をしておく必要があります。
相続人の中に認知症や寝たきりで判断能力が低下している方がいる場合は、急いで相続対策を行いましょう。
例えば、父・母・息子の三人家族で、母が認知症と診断されている場合であれば、父が遺言書を作成しておくだけでも、息子さんは相続手続を進めやすくなります。
認知症の家族が相続人の場合
遺産分割協議ができない
認知症で判断能力のない相続人がいる場合は、遺産分割協議ができません。
被相続人(相続される人、相続の開始にあたっては亡くなった人)が亡くなると、原則として被相続人の銀行預金などは下せなくなり、不動産も処分することができません。
遺産分割協議を行い、誰が何を相続するか確定させ、相続人全員が合意することで、被相続人の財産を動かすことができます。
ですが、認知症の相続人がいると、遺産分割協議を行うことができず、被相続人の財産を動かすことができません。
成年後見制度を利用して遺産分割
認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議ができませんが、成年後見制度を利用して後見人を置くことで、遺産分割協議を進めることができます。
成年後見制度とは、認知症の相続人の代わりに後見人が財産管理を行う制度で、後見人が代理人として遺産分割協議に参加することができるのです。
ですが、成年後見制度にはデメリットもありますので、メリット・デメリットを理解した上で利用するようにしましょう。
亡くなる前に対策
対策として被相続人が亡くなる前に遺言を作成しておくことをおすすめいたします。
遺言で、誰に何を相続させるかを書いておけば、遺産分割協議を行う必要がないので、スムーズに相続手続を進めることができます。
他の対策としては家族信託をして承継先を決めておく方法でも遺産分割協議を回避することができます。
認知症を被相続人が発症していた場合
亡くなった被相続人が認知症の場合は、遺言を作成していても無効になってしまう可能性があります。
遺言が無効になってしまうと、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があるので、相続人同士が不仲な場合は長引いてしまうかもしれません。
ですので、遺言を作成するのは判断能力がしっかりしている段階というのが重要になってきます。
判断能力がしっかりしていると証明するために、医師に診断書をもらっておくと安心です。
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一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。
- 【保有資格】司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
- 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」 著者/「はじめての相続」 監修
- 全国司法書士法人連絡協議会 理事