生前贈与の失敗事例
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
贈与税と相続税の一本化の動きがあり、生前贈与による相続税対策ができなくなる恐れがあります。
また、幸か不幸か、2021年7月に発表された2021年分の路線価が下落している地域が多く、不動産の生前贈与がしやすい状態となっている方も多いと考えられます。
上昇した地域でも、上昇幅は全体的に昨年よりも縮小傾向なので、生前贈与による相続対策をお考えの方はお急ぎください。
※路線価とは、相続税や贈与税を算定する際の基準となるもので、宅地が面する道路に設定された標準的な価格のことです。
生前贈与の失敗事例1
生前贈与の失敗事例の状況
私の兄、洋介は妻子と長年別居しており、近所に住む姉の雅子と私が洋介の生活を面倒見ていました。
なので、妻子には相続させず、雅子と私に遺産を相続させたいと生前話しておりましたが、洋介は遺言書を残すことなく他界してしまいました。
そして、遺言書がないばっかりに、私と雅子は洋介の遺産を相続することができず、洋介が財産を渡したくないと考えていた妻や子供に全ての遺産が渡ってしまいました。
相続して欲しい人に相続させられず、相続させたくない人に財産が渡ってしまい、洋介がかわいそうでなりません。私は洋介に遺言を書かせなかったことを心から後悔しています。
生前贈与の失敗事例の原因
このケースでは、遺言書を作成し、洋介さんの意思をしっかり明記しなかったことが生前贈与の失敗の原因です。
遺産をどのように相続してもらいたいか意向がある場合は、その意向が死後に反映されるように専門家に相談して、遺言書を作成したり、生前贈与したりすることをおすすめいたします。
生前贈与で失敗しないためには
妻子の遺留分が存在するので、遺産全部を渡さないことは不可能ですが、遺言書を作成し『雅子と私にも相続させる旨』を記しておけば、遺贈という形式で遺産を渡したい人に渡すことができます。
生前贈与の失敗事例2
生前贈与の失敗事例の状況
私は2人兄弟の弟で、12歳年上の兄がいます。両親は、父親が亡くなり、母親は健在です。
母親の死後に兄弟で財産争いに揉めないようにと生前贈与を進めてきたのですが、兄が仕切っているため、私の配分が極端に不均等であると感じています。
また、母親は兄と同居しているため、兄の言いなりです。
兄は私に「1/4しか財産をやらない」と言い出しており、母親もこれに納得済の状態で、私の意見は全く聞き入れてもらえません。
そのため、現在でも会話もできず顔も見たくない状況です。
生前贈与の失敗事例の原因
このケースは、司法書士などの専門家に依頼しなかったことが生前贈与の失敗の原因です。
法律の専門家が間に入らずに、家族間でのみ話し合いを進めるとどうしても揉めてしまいます。
生前贈与で失敗しないためには
お互いの意見をすり合わせて、冷静に話し合うためにも、生前贈与など相続財産に関わる手続きには司法書士などの専門家に間に入ってもらって、まるく収める方法を探しましょう。
※兄弟間、親族間の憎しみはその後の人生において大きな影を落とし、禍根を残します。
合わせて読みたい記事
一人で悩まないで!まずは無料相談!
0120-151-305
9:00-20:00[土日祝/9:00-18:00]グリーン司法書士法人運営
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人 の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。
- 【保有資格】司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
- 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」 著者/「はじめての相続」 監修
- 全国司法書士法人連絡協議会 理事