遺産相続の相談先は税理士・司法書士・弁護士の得意分野で決めよう!
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
ご家族・ご親族が亡くなると、遺産相続が開始され、亡くなった方の配偶者やお子さんなどの相続人は、相続手続きをする必要があります。
ただでさえ、葬儀・法要や、役所への届出など慌ただしい中、それに加えて遺産分割協議や財産の名義変更などの相続手続きまでするとなると、とても大変ですよね。
また、手続き先は役所や銀行など、平日の日中にしか手続きできないところがほとんどです。
そのため、お仕事をされている方や、小さなお子さんがいる方は、時間が取れないこともあるでしょう。
そのような時は、専門家に遺産相続に関する手続きを一括して依頼することをおすすめします。
遺産相続の手続きを代行してくれる専門家は、主に以下の3つです。
- ・司法書士
- ・弁護士
- ・税理士
とはいえ、どこに相談するべきか悩みますよね。
専門家ごとに得意分野がありますので、相談内容に応じて適した専門家に相談するようにしましょう。
この記事では、ケースごとにおすすめの相談先を紹介します。
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遺産相続の相談先はそれぞれの得意分野で選ぼう!
遺産相続に関する相談先は、【司法書士】【弁護士】【税理士】の3つです。
しかし、それぞれの専門家がどのような業務に対応していて、何を、どの専門家に相談すれば良いのか分かりにくいですよね。
専門家ごとに得意分野があるので、それをもとに遺産相続を相談する専門家を選べばスムーズです。
しかし、相続相談を最初にするのは司法書士がおすすめなのです!
まずは各専門家について説明してから、その理由をお話ししたいと思います。
不動産の相続が発生するなら司法書士
相続財産の中に不動産がある場合は、司法書士に相談して相続手続きを依頼しましょう。
司法書士は登記を得意とする法律資格で、不動産登記を代理することをメイン業務としている法律職です。
そして相続が発生した中の約50%で不動産の相続が発生するので、相続手続きに司法書士が関わることが多いのです。
国税庁の調べでは、相続財産のうち約4割は土地です。出典:国税庁HP
なので、最初に相続業務を多く取り扱う司法書士に相続の相談、依頼をするとスムーズに手続きを進めることができます。
また、業務上、司法書士は財産調査などの最初の工程と登記などの最後の工程を行うため、相続手続き全般に携わることが多く、不動産業者や税理士・弁護士と連携を取る機会も豊富です。
そのため、本当に相続に強い各専門家を知っており、司法書士の範囲外の業務が発生した場合でも各分野の相続に精通した専門家を紹介してくれます。
家の名義変更(不動産登記)について詳しくは下記ページ説明しておりますので、ご参考にしてください。
家の名義変更の方法は?相続で争い事が生じたら弁護士
「争いごと」が発生する遺産相続の場合には、弁護士に依頼する方が良いでしょう。
話し合いではまとまらず、遺産分割調停や審判などが必要になった際には、弁護士しか行えない業務となるからです。
スムーズに遺産分割協議を行い、揉めることなく相続手続きができれば良いのですが、なかなかそうもいかない状況もあります。
相続人の間で争いごとに発展してしまったり、その可能性が高いと思ったりした場合には弁護士に相談してみましょう。
相続人の間で揉めている場合は、相続手続き完了まで時間がかかり、その分費用も高くなることが多いので、費用が気になる方や費用を抑えたい方は、どこまで支払えるのか、自分でできる範囲は自分で行うのかなどを考えて依頼しましょう。
税理士
相続が発生すると、相続税が気になりますよね。相続税が課税され、自身で申告するのが難しい場合には、税理士に相談しましょう。
相続財産が基礎控除【3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)】を超える場合、相続税が課税されることとなります。
つまり、相続財産が最低でも3600万円を超えるケースでしか相続税は課税されないということです。そのため、相続税の申告が必要なのは相続が発生した中での4%程度の人にしか関係ないと言われています。
確認して基礎控除額以上の相続財産がある場合は、相続税申告が必要になるかもしれないので税理士に相談してみましょう。
相続税の申告が必要がどうかは、相続税シミュレーションで簡単に確認できます。
税理士に相談する必要があるのかどうかの目安にご利用ください。
相続税計算シミュレーション相談先を間違えると無駄な時間や費用が発生する
税理士、司法書士、弁護士の一定の業務は資格や権限のない人が行う事が違法とされているものがあります。
例えば、弁護士以外の士業は裁判所での代理は原則として出来ないので弁護士の分野の業務ですし、相続登記を税理士に依頼しても代行する事はできないので司法書士の分野の業務となります。
このようにそれぞれに職務権限上、対応可能な範囲が異なるので、状況に合わせて専門家に相談することが大事です。
とりあえずなんとなくで選んでしまうと、お願いしたい業務に対応してもらえなかったり、他の専門家を紹介されたりと、時間を無駄にしてしまう可能性もありますし、場合によっては払う必要のなかった相談料を支払う事になる可能性もあります。
あらかじめ、自身が「何をお願いしたいか、どの手続きが必要か」をまとめておき、それぞれに対応した専門家に相談するようにしましょう。
遺産相続相談を迷ったら、とりあえず司法書士!
税理士・司法書士・弁護士の得意分野についてお話ししましたが、結局誰に相談したらいいのかわからない!と思われるかもしれません。
そんな場合は、まずは司法書士に相談してみましょう。
- 法律(相続・遺言・家族信託など)の専門家である
- 不動産の相続に精通している
- 相続手続の最後まで見越した解決方法を提案できる
- 相続に強い専門家とのネットワークがある
- 相続以外に売る商品がない
初回無料相談は時間無制限 司法書士か行政書士がお話をお伺い オンライン相談か来所相談かお選びいただくことができます。
法律の専門家で、相続に関する幅広い業務に対応している
司法書士は、法律の専門家であり、相続に関するサポートを生前から相続発生後まで幅広くサポートすることが可能です。
不動産の相続登記だけではなく、裁判所に提出する書類作成の代行も行えますし、相続放棄や遺言書の検認、遺言執行者選任申立、不在者財産管理人選任申立など、相続に関するさまざまな手続きを行う事が可能です。
また、認知症などにより判断能力が低下してしまった場合のことを考えて家族信託や成年後見制度を利用したり、複雑な親族関係でもトラブルが起こらないように対策をしたりと、状況に合わせて相続の生前対策も提案いたします。
その点からも、相続に関する相談は最初に司法書士に行うことをおすすめしています。
司法書士ができる相続関連の手続きは以下の手続きです。
司法書士が行える相続手続の種類
相続の手続きはたくさんあり、その中でも司法書士が行える相続手続きの一例として下記の手続きがあります。
たくさん書いてあり、分かりにくいかと思いますが、司法書士は相続に関する手続きを幅広く行えるということです。
- ■不動産調査
- 登記情報調査、評価証明取得
- ■戸籍調査・相続関係説明図作成
- 戸籍収集、戸籍チェック
- ■遺産分割協議書作成
- 遺産分割で合意した内容を明らかにする書面を作成
- ■財産目録・遺産分配表の作成
- 遺産をリスト化し、他の相続人に説明するための書類を作成
- ■相続登記
- 登記申請・事後謄本取得・権利書受領
- ■生前贈与登記
- 登記申請、事後謄本取得、権利書受領
- ■金融資産解約・名義変更・残高調査
- 金融機関の資産を調査、解約、名義変更を代行
- ■銀行打ち合わせ代行
- 住宅ローン付き物件の贈与、信託についての確認
- ■担保抹消登記
- 抹消登記申請、抹消書類再発行手続き
- ■住所変更登記
- 変更登記申請
- ■上申書作成
- 上申書作成
- ■公正証書遺言作成
- 公正証書遺言作成サポート
- ■自筆証書遺言作成
- 自筆証書遺言作成サポート
- ■その他遺言にまつわるサポート
- 遺言の修正・書き直し、証人立ち合い、遺言検索、遺言保管
- ■遺言執行業務
- 他の相続人への連絡、書類送付など
- ■相続放棄手続き
- 相続放棄手続き
- ■限定承認手続き
- 限定承認手続き
- ■成年後見申立
- 成年後見申立、必要書類取得に代行
- ■未成年後見申立
- 未成年後見申立、必要書類取得の代行
- ■任意後見契約書作成
- 任意後見契約書の作成、公証役場との打ち合わせ
- ■遺産分割調停申立
- 申立書作成、戸籍など取得
- ■遺言検認申立
- 遺言検認申立、申立に必要な戸籍謄本の取得
- ■特別代理人選任申立
- 遺産分割協議に参加する代理人の選任申立
- ■財産管理人選任申立
- 相続財産の確定作業、相続人不在を証明する戸籍一式取得、書類作成
- ■不在者財産管理人選任申立
- 不在者の財産を管理する者の選任申立
- ■失踪宣言申立
- 失踪者の法律的地位を確立させるための申立
- ■裁判所提出書類作成
- 裁判所に提出する書類の作成
不動産の相続に精通している
先ほどもお話ししましたが、司法書士は不動産に特化した法律資格で、不動産登記を代理することをメイン業務としています。そのため、不動産の名義変更については司法書士へ相談するのがベストです。
相続が発生した中のうち、約50%で不動産の相続が発生するため、相続手続を行ううえで不動産に関する知識は重要でしょう。
そのため、相続のあらゆる場面で司法書士の知識が必要となってきます。
相続手続の最後まで見越した解決方法を提案できる
司法書士が得意とする不動産の相続登記は、相続手続の最後に行うことが多いので、司法書士は相続手続の最後の工程を担当することが多くなります。
そして、相続登記に必要な書類はそのほかの相続税申告や預貯金の解約などの手続と同じことが多く、司法書士に相続登記を依頼すれば、遺産分割協議書を作成したり、戸籍収集を代行したりできるのです。
このようなことから、一番に司法書士に遺産相続相談を行うことで、効率よく相続手続を進めることができます。
相続に強い専門家とのネットワークがある
不動産の相続登記は不動産業者や、税理士から紹介いただくか、もしくはお客様が直接ご連絡くださるか、どちらかのケースがほとんどです。
そうすると、相続案件をよく紹介してくれる不動産業者や税理士がわかり、必然的に相続手続に強い不動産業者と税理士がわかるということです。
本当に相続に強い専門家は誰か、お客様目線で仕事をしてくれる専門家が誰かが司法書士にはわかりやすく、お客様に安心していただける各分野の専門家を紹介することができるのです。
相続以外に売る商品がない
相続相談を受けられる場所は増えてきており、銀行や不動産業者、保険代理店などでも相続相談ができます。
しかし、自社の商品がある業者は相続手続に自社の商品を組み合わせて販売したいと思うのが普通かと思います。
その点、司法書士は相続手続きの中で必ず報酬をいただけますし、他に販売したい本命商品がないので公正な第三者視点から解決方法を提案できるのです。
不動産の相続登記なら迷わず司法書士に相談
不動産の相続登記は自分で行うことも可能ですが、権利関係が複雑だったり、相続する不動産が複数あったりすると自分で行うのは難しいため、司法書士に依頼することをおすすめします。
複雑ではない不動産の相続登記であっても、忙しくて自分で手続きする時間がない方は司法書士に依頼してみてはいかがでしょうか。
司法書士に依頼すると、書類作成から法務局への申請まで手続きをまとめて代行してくれるので、平日に仕事を休んで難しい手続きを自分で行う必要がありません。
相続放棄や遺言書の検認もできる
司法書士は不動産の相続登記だけではなく、裁判所に提出する書類作成の代行も行えますし、相続放棄や遺言書の検認、遺言執行者選任申立、不在者財産管理人選任申立など、相続に関するさまざまな手続きを行う事が可能です。
その点からも、相続に関する相談は最初に司法書士に行うことをおすすめしています。
司法書士ができる相続関連の手続きは以下の手続きです。
- 相続登記
- 抵当権の抹消(生命保険等で完済した場合)
- 銀行、証券などの各種財産の承継手続き
- 遺言執行
- 遺言書の検認
- 遺言書作成
- 相続放棄手続き
【依頼先別】遺産相続手続きの依頼費用
料金は事務所によって様々なので、依頼を検討している事務所の料金を確認ください。
おおよその費用相場は以下のとおりです。
弁護士 |
|
---|---|
司法書士 ※大阪相続相談所の場合 |
相続手続き代行サービス:遺産総額×0.3~1% 【その他】 |
税理士 |
相続税の申告:遺産総額×0.5~1% |
また、上記であげた専門家以外に信託銀行も遺産相続の相談を受けていますが、信託銀行は料金が高い傾向にあります。
大手信託銀行はネームバリューがあるので安心感を感じる点が最大のメリットですが、その分高い費用がかかります。
銀行は相続に関するコンサルティングを行い、実際の手続きは提携先の司法書士や税理士が行うのでその分費用がかさむという仕組みです。
遺産相続相談|まとめ
遺産相続の相談は、ご自身の状況に合った分野を得意とする専門家に依頼しましょう。
税に関することは税理士に、相続遺産に不動産がある場合は司法書士に、争いごとなら弁護士にご相談ください。
ご自身では判断が難しい場合は、まず司法書士に相談してみましょう。無料相談を行っている事務所もあるのでご活用ください。
大阪相続相談所では、無料相談を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。
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相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人 の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。
- 【保有資格】司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
- 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」 著者/「はじめての相続」 監修
- 全国司法書士法人連絡協議会 理事