後見人の役割・仕事
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
後見人の役割は、被後見人の生活や医療・介護など身の回りのことに目を配り、被後見人を保護・支援することです。
後見人の役割・仕事は大きく分けて、財産管理、身上監護そして、裁判所への報告の3つです。それぞれどのようなことをするのか具体的に紹介していきます。
目次 [ 閉じる ]
後見人の役割1 / 財産管理
- ① 預貯金による入出金のチェックと必要な費用の支払い
- ② 所有不動産の管理
- ③ 後見費用捻出のための不動産などの売却
- ④ 管理の必要上、必要であれば訴訟行為を行うこと
- ⑤ 確定申告や納税
後見人の役割2 / 身上監護
- ① 治療、入院に関し病院と契約すること
- ② 健康診断などの受診手続き
- ③ 住居の確保(賃貸借契約)をする
- ④ 施設などの入退所に関する手続き
- ⑤ 施設や病院の処遇を監視し、本人に不利益がある場合は、改善要求する
- ⑥ 要介護認定の手続きや介護サービス事業者と介護サービス契約をする
- ⑦ 介護サービスが契約どおりか確認し、異なる点がある場合は、改善要求する
- ⑧ 教育・リハビリに関する契約をする
- ⑨ 訪問などにより本人の状況に変更がないか「見守り」をする
後見人の役割3 / 1年に一度の収支報告
- ① 財産を処分したり、財産管理の方針を大きく変更するとき(遺産分割・相続放棄)
- ② 本人の入院先・氏名・住所・本籍、又は成年後見人の住所・氏名が変わったとき
- ③ 療養看護の方針を大きく変えるとき
- ④ 本人死亡時の成年後見登記申請
- ⑤ 財産目録の作成
- ⑥ 財産の引き渡し
- ⑦ 終了報告
成年後見人の選任方法
成年後見人は、家庭裁判所で後見等の開始の審判をすると同時に選任されます。
選任は、家庭裁判所が被後見人にとって最も適任だと思われる方を成年後見人に選任します。
成年後見制度を申立てたときに、被後見人に法律上または生活面での課題がある場合や、財産管理が複雑である場合などは、弁護士・司法書士・社会福祉士など、成年後見人の職務や責任について専門的な知識を持っている専門家が選任されることがあります。
なお、家庭裁判所が選任した成年後見人に不満があったとしても、家庭裁判所の判断に不服を申立てることはできません。
成年後見人に選任されたら何をする?
成年後見人に選任されたら、速やかに被後見人と面談して生活状況や今後の生活について確認しましょう。
また金融機関などへの必要な届出、後見などの事務の方針を立てた後は、財産目録及び収支予定表を作成し、家庭裁判所に提出します。
登記事項証明書の提出を求められることがあります。法務局で取得できますので、提出を求められた場合は法務局に行きましょう。
- ① 成年後見人として行うことの計画を立てる
- ② 被後見人の希望などを確認し、必要な手続を行う
- ③ お金のトラブルから被後見人を守る
- ④ 被後見人の生活の様子を家庭裁判所または後見監督人などに報告
成年後見人の注意点
成年後見人は、被後見人の意向を尊重し、安定した生活を送ることができるように身上に配慮する必要があり。財産を適切に管理する義務を負っています。
なので、成年後見人が被後見人の財産を不適切に管理した場合は、成年後見人を解任されるか、損害賠償請求を受けるなどの民事責任を問われることがあります。
悪質な場合は業務上横領などの罪で刑事責任を問われる可能性もあるので、財産管理など成年後見人の仕事は被後見人を尊重して行いましょう。
成年後見制度について
成年後見人の役割や仕事について解説いたしましたが、では具体的に成年後見制度を利用するのはどんな時か、成年後見制度のメリット・デメリット、後見人になったら何をするかなどを紹介しておりますので、成年後見制度についてさらに知りたい方は下記ページをご参考にしてください。
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相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人 の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。
- 【保有資格】司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート
- 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」 著者/「はじめての相続」 監修
- 全国司法書士法人連絡協議会 理事