相続放棄手続きの費用相場|自分でする場合と専門家に依頼する場合

代表司法書士山田愼一

山田 愼一

相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。

保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート

相続人となった場合、まずは相続対象となる財産を把握しましょう。

相続対象となるのは現金や預貯金、不動産などのプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も対象となるのでご注意ください。

相続と聞くと遺産がもらえると思いがちですが、プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合は借金を相続することになるのです。

マイナスの財産が多い場合に、選択肢として考えられるのが【相続放棄】です。

このページでは、相続放棄手続きにかかる費用についてお話いたします。

相続放棄の手続きは財産を把握してから検討しましょう。プラスの財産かマイナスの財産どちらが多いかで判断します。

相続放棄とは

相続放棄とは、故人の財産も借金も全て受け継がないとする相続の方法です。

相続放棄するには、家庭裁判所に「相続放棄をします」と申述する必要があり、期間が決まっているので注意しましょう。

相続放棄について詳しくは下記のページをご確認ください。

  相続放棄について

相続放棄の手続き方法ごとの費用の相場

相続放棄を検討され、相続放棄手続きを行いたいとなられた場合、どのように手続きを行うのか、費用はどれくらいかかるのかが気になるかと思います。なのでご自分で行う場合と依頼する専門家ごとの場合を説明いたします。

自分で行う場合の相続放棄手続き費用

専門家に依頼せずに自分で相続放棄手続きを行う場合の費用は、相続人1人につき約3,000円~5,000円程度と考えていただければと思います。

被相続人(相続される人、相続の開始にあたっては亡くなった人)の住民票除票(または戸籍附票)1通300円程度
相続放棄する人の戸籍謄本1通450円程度
被相続人の戸籍謄本(死亡の記載のあるもの)1通450円程度
改製原戸籍謄本・除籍謄本(被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本が必要な場合)1通750円

※上記は最小限の手続きの場合です。ご状況により別途資料が必要になり費用も変わってきます。

司法書士に依頼した場合の相続放棄手続き費用

相続放棄は専門的な手続きなので、必要書類の準備や家庭裁判所への申立てが難しい場合は、専門家である司法書士に依頼することをおすすめいたします。

ただし、司法書士には対応できる業務の範囲があるので注意が必要です。

大阪相続相談所では提携の専門家が多くいますので、司法書士の業務外の部分はスムーズに提携先の専門家と連携してご対応いたします。

司法書士費用は以下の内訳となります。

初回相談料0~5,000円/60分
相続放棄申立ての実費3,000円~5,000円程度
代理手数料20,000円~30,000円程度

※金額は目安なので、依頼を検討している司法書士事務所に問い合わせてみましょう。

弁護士に依頼した場合の相続放棄手続き費用

弁護士に相続放棄手続きの代理を依頼した際にかかる費用は5万円以上かかることが多いです。

弁護士費用は以下の内訳となります。

初回相談料0~10,000円/60分
相続放棄申立ての実費5,000円~10,000円
代理手数料50,000円~100,000円程度

※金額は目安なので、依頼を検討している法律事務所に問い合わせてみましょう。

手続きに必要な戸籍関係の書類の準備が難しい場合や、手続きの時間がとれない場合は専門家に代理を依頼することを検討ください。

相続放棄手続きは、ご状況によって内容が変わってきますし、専門家によっても行える範囲や得意とする分野などが変わってきます。

相続放棄する相続財産の状況に合った専門家にご相談いただくことをおすすめいたします。

自分でできるのか専門家に依頼した方が良いのか判断ができないという場合は、大阪相続相談所の無料相談をご活用いただければと思います。

初回無料相談を行っておりますし、司法書士ではなく弁護士の業務範囲の場合は提携している弁護士事務所があるのでスムーズに紹介することができます。

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相続放棄した方が良い場合

1)借金などのマイナスの財産が多い場合

山林や農地、空き家など管理にお金や手間がかかる相続財産の場合は相続放棄をおすすめします。空き家は地価が高い場合は土地を売った方が得かを検討してから相続放棄しましょう。

相続放棄を選択される場合に多いのが、被相続人に多額の借金があり、プラスの財産をマイナスの財産が超えている場合です。

例えば、プラスの財産が総額700万円あったとしても、借金などのマイナスの財産が1000万円あった場合は300万円の借金を相続することになり、相続人たちで返済しなければなりません。

また、借金はなくても被相続人が誰かの連帯保証人になっている場合もあります。

借金をしている人が返済できなくなった時に、被相続人の借金となり、相続人たちが借金を返済する義務を負うことになってしまいます。

相続財産を調べているときに把握できれば良いのですが、時間が経過してから発覚する場合もあるので、その際は専門家に相談されることをおすすめいたします。

2)山林や農地、空き家など管理にお金や手間がかかる相続財産の場合

借金などのマイナスの財産が多い場合は相続放棄をおすすめします。被相続人が連帯保証人になっていないかも注意しましょう。

山林や農地なども相続放棄されることが多い相続財産です。

相続人が所在地と離れたところに住んでいると、自分で管理するのは難しく、管理を依頼すると費用が発生してしまうので相続放棄を検討されるということになるからです。

また、空き家も相続放棄を選択されることがあります。

長い間誰も住んでおらず、荒れ果てている空き家を相続しても、空き家を取り壊すのにもお金がかかりますし、取り壊した後に土地を売るにしても地価が高くないと取り壊し費用の方が高くなることが考えられます。

地価が高く、取り壊した後に費用よりも高額で売ることができる場合もありますので、空き家を相続した場合どうなるのかを考えた上で相続するか相続放棄するか検討されることをおすすめいたします。

3)被相続人が事業を営んでいた場合

被相続人が事業を営んでいた場合は、相続人全員で相続するとトラブルの元になるので、承継人以外は相続放棄する方が良い。

被相続人が事業を営んでおり、相続人の誰かが事業を引き継ぐ場合は、事業を引き継がない相続人は相続放棄する場合があります。

事業に関わる財産を他の相続人が相続すると、事業に支障をきたす可能性が考えられますし、後々トラブルの元になる可能性も考えられます。

このようなトラブルを回避するための対策として、事業の承継人以外は相続放棄するという方法があります。

4)他の相続人と関わりたくない場合

他の相続人と関わりたくない場合は相続放棄すると相続人ではなくなるので遺産分割協議に参加しなくてすみます。

相続が発生した際に行う遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるので、自分が相続人となり財産を相続する場合は必ず遺産分割協議に参加しなければなりません。

他の相続人と全く付き合いがなく、相続財産分けの話し合いに参加するのは気が引けるという場合もあるかと思います。そういう場合は、相続財産にこだわりがなければ相続放棄することで煩わしいやり取りを回避することができます。

5)借金と生命保険金がある場合

借金と生命保険がある場合に相続放棄したら、借金は相続放棄、生命保険は相続できる可能性がある。契約内容によるので確認しましょう。

相続放棄すると生命保険金も受け取ることができないのではと心配になるかと思います。

しかし、生命保険金は被相続人の所有財産ではなく、死亡後に保険会社から支払われるものになるので相続財産には含まれないのです。

相続放棄の対象は相続財産なので、相続放棄をしても生命保険金は受け取ることができるので、マイナスの相続財産が多い場合は相続放棄をして、生命保険金を受け取る方法もあります。

生命保険の契約内容によっては相続財産に含まれる場合もありますので、契約内容を確認しましょう。詳しくは下記ページでお話ししております。

  相続放棄を行っても生命保険を受け取ることはできますか?

相続放棄の代行を依頼するメリット

メリット1/時間の節約になる

相続放棄するには、書類を作成して裁判所に提出する必要があります。

裁判所は平日しか開庁していませんし、必要書類の戸籍も市役所に行く必要があるので平日になります。

郵送で請求する方法もありますが、相続放棄は相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に行わなければならないので、期限のことを考えると郵送だと時間がかかりぎりぎりになってしまう可能性があります。

平日に仕事を休んで行う手間を考えると、専門家に依頼する方がスムーズに進められます。

メリット2/専門的な手続きを正確に進めてくれる

慣れない専門的な書類を作成するのは難しく、間違っていると裁判所は書類を受け取ってくれません。

作成し直すのも時間がかかりますし、相続放棄の期限のことを考えると何度も直していると期限内に申請できません。

専門家に依頼すると、期限までに正確な書類をスピーディーに作成し、そのまま提出してもらうことも可能です。

メリット3/専門家ならではのアドバイスをくれる

法律の知識がない人でも相続放棄手続きを行う事は可能ですが、専門家だからこそ気付くことがありますし、見落としがちな部分のアドバイスをくれる事もあります。

司法書士や弁護士は相続に関する手続きの経験があり、相続放棄手続きや手続き後に起こる問題への対応に慣れているので、安心して相続放棄を行うことができます。

相続放棄の代行を依頼するデメリット

デメリット1/金銭面の負担がある

専門家に依頼するということは、当然費用が発生します。

報酬は事務所によって違うので、複数の事務所を比較して決めると安心かもしれません。

しかし、報酬が安い事務所が良い事務所かというと一概にそうではありません。対応の丁寧さなども大切かと思います。

デメリット2/信頼できる専門家か

相続手続きが発生しているときは、葬儀などで慌ただしく疲れているかと思います。そんな時に嫌だなと思う対応をしてくる専門家に手続きを任せるとさらに疲れてしまいます。

この人には任せられるなと思える専門家に依頼する方が安心できます。実際に話してみないと分からないので、無料相談やオンライン相談を利用してみてはいかがでしょうか。

大阪相続相談所では初回無料相談、オンライン相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

相続放棄手続きにかかる期間

相続放棄には3か月という期限があるので、相続放棄手続きにどれくらいの期間がかかるのか気になるかと思います。

問題なくスムーズに進んだ場合は、裁判所に必要書類を提出するまでに1~2週間程度かかります。
その後、照会書や面談で相続放棄の意思を確認されるまで10日程度、そして資料を提出してから郵送で相続放棄申述受理通知書が届くまで10日程度かかるというケースが多いです。

上記の流れで考えると、大体1ヵ月程度で相続放棄手続きは完了するでしょう。

しかし、あくまでもスムーズに手続きが進んだ場合の期間になるので、最短で1ヵ月かかると考えましょう。

相続放棄手続きの流れ

1) 相続財産調査をする

2) 相続放棄するか決める

3) 相続放棄に必要な書類を用意する

4) 家庭裁判所に申述書を提出して、申し立てる

5) 相続放棄申立後に照会書が届く

6) 相続放棄が許可されれば相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄手続きの必要書類

  •  相続放棄申述書
  •  被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
  •  申述人本人の戸籍謄本
  •  被相続人の戸籍謄本
  •  収入印紙800円分と郵便切手

相続放棄手続きの費用まとめ

相続放棄は手続きを自分で行うか、司法書士に依頼するか、弁護士に依頼するかによってかかる費用が変わってきます。

ご自身が平日に動ける状況か、専門的な手続きができそうか、期限内に手続きを行えそうかなどを考慮して相続放棄手続きを進めましょう。

費用を抑えるために専門家に依頼せずに、ご自身で行った結果、相続放棄を期限内にできなかったとなってはいけませんので、ご状況に合わせて専門家に依頼することもご検討ください。

相続放棄に関するお悩みはグリーン司法書士法人へ!

相続放棄手続きは自分で行うこともできますが、専門的な手続きで、期限も決められているので一度専門家に相談する事をおすすめいたします。

大阪相続相談所では、初回無料相談を行っておりますので、お気軽にご相談いただき、それをもとに専門家に依頼するか、ご自身で行うかをご判断いただければと思います。

ご相談いただくことで、相続放棄ではない方法をご提案できる場合もございます。

  大阪相続相談所の相続放棄手続きサポート

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  山田 愼一

相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人 の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。




代表司法書士山田愼一
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