遺言を書くメリットとデメリットを解説!遺言書はあなたに必要?

代表司法書士山田愼一

山田 愼一

相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。

保有資格:司法書士/行政書士/家族信託専門士/M&Aシニアエキスパート

今回、お話しするテーマは、遺言書はあなたに必要ですか?です。
遺言書作成のメリットとデメリットをお話しし、なぜ必要なのか理由を解説いたします。

まず、遺言書というのは、自分が亡くなった時のお話しなので、すごくネガティブなイメージがあると思います。

しかし、相続手続の専門家から見ると、全くそんなイメージではありません。

遺言書は、相続手続きを簡単にしたり、スムーズにしたりするための、とても有用な一手段として活用されています。

【遺言書はあなたに必要?】遺言を書くメリットとデメリット!

遺言書が必要な理由について

まず遺言書が必要な理由についてお話ししていきます。
遺言書が必要な理由は、大きく分けて3つあります。

  • ・必要書類が少なく済み、費用が節約できる
  • ・遺産分割協議書を作成しなくていい
  • ・自分の現在の財産を確認できる

遺言書が必要な理由1

まず1つ目の理由は、遺言書を作成しておくと相続手続きで必要となる書類が少なくて済み、費用も節約できるからです。

相続手続きの中で絶対必要なのは戸籍です。

亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの出生死亡の戸籍が必要となりますが、これを集めるのはとても大変な作業になります。

ですが遺言書を作成しておくと、相続手続きの出生死亡の戸籍を大体3分の1ぐらいの数にすることができるので、戸籍を集める労力も3分の1で済ませることができます。

出生死亡の戸籍は、そんなに集めるのが大変なの?と思われるかと思いますが、とても大変なのです。

戸籍というと、現在戸籍と言われる横書きの読みやすくなったものをイメージすると思いますが、昔の戸籍は縦書きで書道のような読みにくい字で書いたものでした。

戸籍には、現在戸籍と言われる横書きの読みやすくなったものと、縦書きで書道のような読みにくい字で書いてある昔の戸籍があります。

生まれてからの戸籍は昔の形式の戸籍が多く、昔の形式の戸籍を過去の部分もずっと遡って取っていくことになります。

まだ60代、70代の方でも昔の形式の戸籍はあり、平成21年くらいから新しい戸籍になっているので、それ以前は古い戸籍があると考えられます。

戸籍の形式が昔の戸籍から現在戸籍に変わったのは平成21年ころから

自分の本籍地が1箇所でも、父母、祖父母の戸籍まで遡る必要がある場合もあり、その場合は関東にいっていたり、四国にいっていたり本籍が移っていることがあります。

自分だけではなく、父母、祖父母等の本籍地も確認する必要があると、出生から死亡までの戸籍を集めるのは更に大変な作業になります。

また、戸籍の申請には、横書きの戸籍450円、縦書きの戸籍750円かかってくるので、費用面でも節約することができます。

遺言書を作成しておくと、手続きを簡略化することができ、費用を節約することもできるのです。

遺言書が必要な理由2

次に2つ目の理由は、遺言書を作成しておくと、相続手続きの中でも一番大きな壁となる、遺産分割協議書の作成を回避することができるからです。

遺産分割協議は、相続人全員の印鑑・印鑑証明書が必須なので、相続手続きの中で一番大変だと言われています。

スムーズに集まらない場合は、相続人同士で弁護士を入れて争うか、遺産分割をまとめていく手続きが必要となります。

そこで、こういった長期の費用や、長期の争いが起こることを防ぐためにできることが遺言書を作成しておくことです。

遺言書を作成しておくことで、争いの元になりやすい遺産分割協議を行う必要がなくなり、後々発生する可能性がある相続トラブルなどを回避することができるのです。

うちはそんなに財産がないし、相続人も多くないので相続争いは関係ないと思われるかもしれませんが、平成30年度の遺産分割の事件は累計13,000件というデータがあります。
遺産分割のトラブルは、他人ごとではなくなってきていると言えるでしょう。

遺言書を作成しておくことで、相続争いを防ぐことができますし、遺産分割協議書を作成せずに済むので、相続人に手間を取らせることなくなります。

遺言書が必要な理由3

3つ目の理由は、自分の現在(生前)の財産を確認することができるからです。

遺言書を書くためには、まず自分の財産を把握することから始めます。

財産を把握することによって、ここで税金対策ができるのでは?、財産を移動させると相続税がかからないのでは?など、色々な対策を考える機会になりますし、実行して節税対策ができるかもしれません。

遺言書を書くことをきっかけにして、ご自身の生前対策を始めていく方も少なくありません。

自分の財産把握も、遺言書を書く大きな理由になってくると思います。

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遺言書の種類について

次は、遺言書の種類についてご説明します。

遺言書の種類は大きく分けて3つで、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

その中でも、秘密証書遺言はほとんど使われることがありません。
なぜかと言うと、秘密証書遺言は秘密を守るための遺言書ですが、公正証書遺言でも同じように機密性は担保できてしまうからです。

ですので、実際よく使われているのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の形式になります。

そして他にも危急時という、亡くなる直前に作る遺言書もありますが、特別なケースなので今回は割愛させていただきます。

遺言の種類について、詳しくは下記ページでご説明しておりますので、興味がある場合はご覧ください。

自筆証書遺言のメリット

ではよく使われる自筆証書遺言と公正証書遺言、この2つのメリット・デメリットに関してご説明します。

まず自筆証書遺言のメリットとデメリットについてお話しいたします。

自筆証書遺言のメリットは下記3点です。

  • ・自分で書けるので手軽
  • ・費用がかからない
  • ・証人が不要
自筆証書遺言のメリットは、手軽、費用不要、証人不要の3点です。

自筆証書遺言は自分で書けるので手軽というところが大きなメリットになります。

その他のメリットは、費用が全然かからないところと、証人などの第三者に頼ることも不要というところです。

自筆証書遺言のデメリット

続いて自筆証書遺言のデメリットについてお話ししていきますので、作成する際には注意してください。

  • ・無効になる可能性が高い
  • ・発見されない可能性がある
  • ・改ざんできてしまう
  • ・検認が必要
自筆証書遺言のデメリットは、無効になる可能性、発見されない可能性、改ざんできてしまう、検認が必要の4点です。

自筆証書遺言のデメリット1/無効になる可能性が高い

自筆証書遺言の最大のデメリットは、無効になってしまう可能性が高いところです。

自分で勉強して、自分で作成するので、専門的な知識が必要になる部分で間違ってしまう可能性があります。
例えば、訂正の方法や財産の特定などが考えられます。

書式や記入ミスなど、作成した自筆証書遺言が間違っていると、無効になってしまう可能性が高いのです。

なので自分で自筆証書遺言を作成する際は、注意していただければと思います。

自筆証書遺言のデメリット2/発見されない可能性がある

遺言の保管制度を利用せずに、ご自身で遺言を保管する場合は、遺言がなくなってしまったり、相続人が気付かなかったりする可能性があります。

心配な場合は、遺言の保管制度を利用することを検討してみましょう。

自筆証書遺言のデメリット3/改ざんできてしまう

あまりないとは思いますが、遺言書の内容を誰かが改ざんする可能性もゼロではありません。

この点で懸念されるのは、実際に改ざんされたか、されていないかではなく、改ざんできる状況だと、同居している家族や相続人の方に疑いの目が向いてしまうというところです。

自筆証書遺言のデメリット4/検認が必要

4点目のデメリットは、家庭裁判所の検認という作業が必要となることです。

このデメリットも、遺言の保管制度を使えばカバーできるのですが、基本的には亡くなった後に家庭裁判所で手続きをして、検認という作業をしないと不動産の名義変更や、預貯金の解約などを行う際に、遺言書が効力を発揮しません。

ご説明したデメリットの面から、遺言の保管制度を利用することをおすすめしております。

しかし遺言保管制度は、あくまで遺言の保管をしてくれる制度で、実際に有効性を担保してくれるわけではありません。

そして遺言の保管制度を使うことで、ご説明したデメリットを全てカバーできるということでもありませんのでご注意ください。

公正証書遺言のメリット

続いて、公正証書遺言についてご説明いたします。

先程お話しした自筆証書遺言と公正証書遺言を比較すると間違いなく公正証書遺言の方がおすすめです。

では公正証書遺言のメリットについてお話ししていきます。

  • ・有効性が保証される
  • ・紛失の心配がない
  • ・検認が不要
公正証書遺言のメリットは、有効性、紛失なし、検認不要の3点です。

公正証書遺言のメリット1/有効性が保証される

公正証書遺言の作成には、公証人と証人2名が必要となるので、有効性の面は担保され、ほとんど争われることはありません。

公正証書遺言のメリット2/紛失の心配がない

公正証書遺言は、公証役場で原本を保管してもらい、ご本人様には、謄本、製本をお持ち帰りいただきます。

公証役場に原本がにあるので、謄本、製本を紛失したとしてもすぐに請求することができるのです。

公正証書遺言のメリット3/検認が不要

3つ目のメリットは、検認手続きが不要な点です。

検認手続きが不要なので、亡くなった後は製本、謄本を使ってすぐに相続手続きをすることができるので、相続人の方の負担が少なくなります。

上記3点が公正証書遺言の大きなメリットとして考えられます。

公正証書遺言のデメリット

続いて公正証書遺言のデメリットについてお話しします。

  • ・公証役場の手数料がかかる
  • ・証人が2名必要になる
公正証書遺言のデメリットは、公証役場の手数料がかかる、証人が2名必要の2点です。

公正証書遺言のデメリット1/公証役場の手数料がかかる

まず、公証役場の手数料がかかる点がデメリットとしてあげられます。

財産や預貯金がどれぐらいあるか、どういう分け方をするか、などによって公証役場の手数料は変わりますし、財産が増えれば増えるほど手数料は上がっていきます。

公正証書遺言のデメリット2/証人が2名必要になる

2つ目のデメリットとしては、証人が2名必要となる点です。

家族や親戚に証人を頼もうと思っても、四親等以内の親族は証人になれませんし、財産を受け取る方も証人になれないので、意外と証人探しに苦労するのです。

【?】四親等以内とは? ※図で解説する! 甥っ子、姪っ子、あとはいとこも駄目です。 そして財産を受け取る方も証人にはなれない。

もし証人探しで困っている場合は、司法書士や行政書士などの専門家にご依頼ください。ご依頼いただくと、我々が証人になれるので証人探しの心配がありませんのでご安心ください。

遺言書を作成するなら

お話しさせていただいた内容から、遺言書を作成するなら圧倒的に公正証書遺言をおすすめいたします。

遺言を作る理由に立ち返っていただきたいのですが、残された方々のため、自分のお気持ちを残すためだったかと思います。

その点を考えた時に、自筆証書遺言だと不安要素が残ってしまいます。

せっかく遺言書を作成するのであれば、費用がかかったとしても、できる限り不安要素を減らしていく必要があるのではないでしょうか。

何か特別な理由がない限り、遺言書は公正証書遺言で作成すると考えていただきたいです。

どのように対応したらいいのかわからない場合は、大阪相続相談所を運営しているグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。
司法書士による無料相談を行っておりますので、安心してご相談いただけます。

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