【相続】武富士集団訴訟
2011.07.19
相続とは、亡くなった方の財産を全て引き継ぐことです。原則、負債だけ引き継ぎたくないといったことは許されないのが、現在の民法の大原則となっています。「相続するか、もしくは全部を相続放棄するか」を明確に決めておかないと、その後の権利関係が複雑になってしまうためです。
昨年9月に経営破たんした武富士の創業者一族に対して集団訴訟が起こされています。同社は、債権スポンサーを得た上での、武富士ブランドを存続させての営業再開の動きもあるそうですが、債権者への弁済割合は5%程度になる見通しです。これは、仮に100万円の過払い利息金があったとしても、5万円しか戻せないということですね。当然、納得できる話ではありません。
今回の集団提訴では、創業者の故・武井保雄氏と元副社長の次男には違法経営によって会社を倒産させた責任があり、妻と元専務の長男も創業者の遺産を相続した以上、債務も相続しているとして、約17億6千万円の損害賠償を求めている、とのことです。
会社から回収しきれない債権を、同族会社の責任者であった武井一族の相続財産から回収するというのは、かなり難しい裁判になると予想されますが、これが認められると、今後の同種の裁判における大きな前例となると思われます。原告側弁護士がどのような理論構成で戦っていくのか、注目していきたいと思います。【西田】
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