相続と遺言書なら大阪相続相談所
法定相続情報とは、相続が発生した際に相続人が法務局に必要な書類を提出すると、法務局がその書類を確認した上で、法定相続人が誰なのかを証明してくれる制度です。
相続が発生すると、相続登記や預金口座の名義変更などの各種手続きを行いますが、手続きを行うには相続人であることを証明する必要があります。
相続人である事を証明するためには、被相続人の戸籍謄本など大量の必要書類を用意しなければならず、とても大変ですし手数料もかかります。
このような事情により相続手続きを行わずに放置されるケースが増えてきたため、相続手続きを簡単に行えるようにする事を目的に法定相続情報証明制度は作られました。
では具体的にどのような点で便利なのか、手続きの手順などをご説明していきます。
相続手続きでは、被相続人の戸籍謄本等の必要書類の束を、何度も出し直す必要があります。
法定相続情報証明制度を利用すると、登記所(法務局)に戸籍謄本等の必要書類の束を提出し、併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すると、登記官がその一覧図に認証文を付けた写しを無料で交付してくれます。
その法定相続情報一覧図の写しを利用することで、被相続人の戸籍謄本等の必要書類の束を何度も出し直す必要がなくなるので、相続手続きを簡単に行いやすくなります。
法定相続情報一覧図の様式は、法定相続人が配偶者か兄弟姉妹かなど関係によって変わりますので、法定相続情報一覧図を作る際には気を付けましょう。
法定相続情報証明制度では、相続が発生した場合にまず、亡くなった方を中心とした「相続関係説明図」を作り、相続人全員分の現在の戸籍と、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍等をそろえて法務局に提出します。
法務局は内容を確認し、無料で公的な証明書として写しを発行してくれます。
また、5年間は情報を保管してくれるので一度でだけではなく再発行の申出も可能です。
必要な枚数を取得すれば不動産の名義書換、預金解約や株式の名義書換など同時にすすめることができ手続のスピード化も図れます。
戸籍謄本を申請する際の手数料は、1通/300~750円かかり、相続人が負担しなければなりません。
しかし、法定相続情報証明制度は発行手数料が無料なので、相続人の負担を軽減することができます。
法定相続情報証明制度は、5年間なら証明書の再発行が何度でも可能です。
相続手続きに時間がかかってしまう場合や、手続きが多い場合に焦らずに済みますし、何度も提出が必要な手続きの場合にも再発行できるとスムーズに相続手続きを行うことができます。
なお、相続税の申告書にも、戸籍謄本等ではなく法定相続情報一覧図を添付すれば手続きを行う事が出来ますので、とても便利です。
発行された法定相続証明情報の一覧図の写しに有効期限はありませんが、提出先の金融機関などによっては、個別に有効期限を定めているところがあるので、事前に確認しておくことが必要です。
法定相続情報証明制度を利用すると、登記官が戸籍の内容を確認してくれるので、自分で確認するよりも確実で、時間の短縮にもなります。
見慣れない書類を自分で確認するよりも安心かと思います。
司法書士や行政書士などの専門家に申請を代理で行ってもらうことも可能です。
外出が難しい方や、仕事で忙しい方など、自分で法務局に出向く時間がない方も多くおられるかと思いますので、専門家に依頼して代理申請を行うのも一つの手段かと思います。
法定相続情報証明制度は、郵送で申請することも可能です。
郵送による申請を行う旨を申出書に記入し、返信用封筒及び郵便切手を同封して法務局に郵送します。
法定相続情報証明制度は、相続手続きでの戸籍収集作業を簡略化するものですが、最初に申請する際には従来通りの戸籍謄本などの必要書類を一式集める必要があります。
従って、相続手続きが多くない(1か所だけ)場合には、あまりメリットは感じられない可能性があります。
法定相続情報証明制度は、まだ平成29年(2017年)に始まったばかりの新しい制度なので、対応していない銀行や保険会社などがあります。
便利な制度なので今後対応が進んでいくかと思われますが、現在のところは相続手続きで使用するかどうかは各機関の判断に委ねられています。
相続手続きを行う金融機関が対応していない場合は、従来通り戸籍謄本等の必要書類の束を提出することになります。
発行された一覧図の写しだけで相続手続きができるということではありません。
一覧図の写しはあくまでも戸籍謄本等の必要書類の束の代わりになるだけなので、それ以外の必要書類は今まで通り相続人が集めて提出する必要があります。
あくまで戸籍謄本等の必要書類の束の収集を都度行わなくて良い点が便利ということです。
相続手続きでは、被相続人の戸籍謄本等の必要書類の束を、何度も出し直す必要があります。
法定相続情報証明制度の手続きは簡単にご説明すると下記の3ステップです。
詳しくは法務局のサイトをご参考ください。
また、法定相続情報一覧図の様式は、法定相続人が配偶者か兄弟姉妹かなど関係によって変わりますので、法定相続情報一覧図を作る際には気を付けましょう。
山田 愼一
相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。