2012.10.25
多くのご相談者のお話をお伺いしていると、「 遺産相続もスタートが肝心」だということに気づきます。
たとえば、「自分たちは、兄弟の仲があまり良くないので、親の遺産のことでは弟とは話をしたくない。わたしは不動産を相続したいのだが、一人で手続きを進めることはできないか」といったご相談をお受けすることがあります。
結論から言いますと、他に相続人が存在する場合は不可能です。
なぜなら、不動産や銀行預金は重要な財産ですので、それを相続人のうち一人が簡単に処分できるとなると、勝手に処分されてしまった他の相続人は、自身の利益を大きく損なわれることになるからです。そのため、役所や銀行からは、相続人全員の合意をきちんと証明するための書類提出を促されます。
このように、法律上、厳重に保護されている「遺産」については、当然、相続人の話し合いは慎重を尽くして行われるべきです。
話し合いが面倒だからという理由で、手紙や電話で用件を済ませようとしたり、他の相続人への説明も程々に、恣意的に遺産分割を進めようとしてしまうと、どこかで必ず皺寄せがきてしまいます。
相続人間の関係が悪いというのであれば、なおさら相続手続がスタートしてすぐに、きちんとお話をすべきだと思います。【西田】