後見制度支援信託とは
2012.10.15
後見制度支援信託とは、ご本人の財産の内、日常的に必要な金銭を預貯金等として親族後見人が管理し、通常は使用しない金銭を信託銀行等に信託するという仕組みです。
現在、成年後見制度の中で親族後見人による被後見人の財産の不正な流用等が後を絶たない状況です、その中で後見制度支援信託により、親族後見人による不正行為を未然に防止してご本人の財産が適切に管理・利用されるために考えられた制度です。
後見制度支援信託は、成年後見及び未成年後見の場合は利用する事ができますが、保佐や補助及び任意後見では利用する事はできません。そして信託する事ができる財産は金銭のみです。
どのような事案で後見制度支援信託を利用するのかというと、後見事務に専門的な知識や経験が必要であったり、親族間に争いがあるような場合は、弁護士、司法書士等の専門職を後見人に選任してこの制度は利用しません。
他にも家裁や専門職の後見人が検討した結果財産が少ない場合や、金銭以外の財産ばかりで信託する財産が少ない場合などはこの制度を利用しません。
それ以外の事案において利用する事になります。
後見制度支援信託の登場によって、少しでも後見人による不正が無くなることになれば良いなぁと考えます。
司法書士 山田愼一
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