農家相続問題
2011.07.15
通常、農家においては、その財産の大部分を占めるのが農地です。そのため、被相続人が農業経営者であり、相続人が何人もいた場合問題となってきます。それぞれの相続人が法定相続分にしたがって分割すると、家業を継ごうとする相続人に必要な農地がたりず、農業経営が不可能となってしまいます。農業を継ぐ相続人固有の財産や相続財産で、その他の相続人に対して代償して農地を一括して相続できるのであればいいのですが、そのような農家は少なく、農協などからの借入金などの借金が多いケースがほとんどです。特に地価の高い都市部では、さらにそのような解決が困難です。
この問題は、当事者だけの問題でもなく、分割されても放置されたり、宅地造成されたりすると、国自体の農業衰退の原因ともなりえます。日本におけるこの問題に対しては、相続人間の私的解決や、家庭裁判所での判断にまかされ、立法的な解決をみていません。
私的解決として、遺言・生前贈与・遺産分割などの道が考えられますが、相続関係や相続税、農地の適正評価など各分野での高度な専門性が求められますので、すでにそうした問題を抱えている場合や、自分の死後にそうした問題を残したくないという方は一度ご相談下さいませ。 森山
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