相続と遺言書なら大阪相続相談所
2012.01.12
こんにちは,司法書士の中川です。
本日は今季一番の冷え込みとの天気予報もありましたが,予想していたほど冷え込まず風邪を引いている私には大変良かったと思います。
さて,今回は表題にあるように「保証人」と「連帯保証人」について,ご理解頂きたいと思います。連帯保証人と単なる保証人とはどこがどう違うのでしょうか?ここでは「連帯」という部分が非常に気になるポイントになります。
では,まず「保証人」の場合について,ご説明していきたいと思います。
例えば,友人のXさんが銀行から借金をして,あなたがXさんの「保証人」になったとします。その場合,銀行があなたに借金の請求をしてきても,あなたは「先にXさんに請求してください」と言うことができます。(民法452条)
また,銀行が「Xさんに請求したが,返してくれないので,あなたの家を差し押さえる」と言ってきた場合でも,Xさんが返済できる財産がある場合で強制執行が容易であれば,そのことを証明して「まず,Xさんの財産を差し押さえてください」とも言えます。(民法453条)
ところが,あなたが「連帯保証人」である場合には,銀行が請求してきても,上記のような主張をすることは一切できないのです。
さらに「保証人」の場合は複数人が保証人となっていれば,その頭数で割った金額についてのみ返済義務を負うのに対し,「連帯保証人」の場合は何人いようが借金全額について返済義務が生じます。
したがって,「保証人」より「連帯保証人」のほうが銀行(お金を貸す側)にとっては有利なのです。実務上も連帯保証人を要求することの方が当然多くなってきます。
最後に,連帯であろうが無かろうが,保証人になるということは重大な義務・責任が生じるということです。保証人になったが故に破産する方もたくさんいらっしゃいます。しかし,現在の金融制度では借入時に保証人を求められる場合が多くあります。したがって保証人としてハンコを押す際には,くれぐれもご注意頂きたいと思います。
追記:上記の様な重責を伴う保証人を用意できないため,保証料を払って保証会社に依頼することができる場合もあります。
しかし,保証会社の中には悪質な業者がいることも報告されていますので,保証会社に依頼する場合にはご注意くださいませ。