相続と遺言書なら大阪相続相談所
2011.07.20
最近は、若年層が(50~60代)ご自身の資産の遺産分割を想定して、遺言書作成の検討をされる方が増加しているように思われます。
そのひとつの原因として、一昔前の日本であれば、「親父の財産は兄貴のもの」といった「家督相続」の考え方が一般的でしたが、現在は「法定相続分による平等な遺産分割」の考え方が、現行民法に規定されていることに起因していると思われます。
生前に何の準備もしていないと、相続人の話し合いで遺産の取り分が決定されるか、法定相続分にしたがって分割されることになります。たしかに、仲の良いご家族であれば話し合いで決めてしまうことができるので、何の問題もありません。
しかし、たとえば、Aさんのご主人の(亡)Bさんに離婚経験があり、離婚した前妻Cとの間に子どもD・Eがいた場合などは、遺産分割の話し合いがまとまらなくなる可能性が大きく増加します。D・Eに対する養育費が幼いころからほとんど払われていなかった、後妻の子どものほうが、明らかにBさんからお金をかけて育てられてきた、など。他にも、故人と前妻の子D・Eしか知らない事情もあるかもしれません。そういった様々な事情を含めると、前妻方・後妻方の間でモメる可能性が高くなります。
仮に紛争に発展してしまい、裁判所で遺産分割調停をするとします。その調停の場で、相続人のうちの1人(たとえば後妻の子どもFさん)が、故人から生前に特別受益を受けていたことが明らかとなった場合、その特別受益を受けた子どもFさんの相続分が減額されることがあります。要は、「Fさんは特別受益という名目で、遺産の前払いを受けていたので、今回の遺産相続では他の相続人のために我慢しなさい」という判断を裁判所がするのです。【西田】